引き続き、戦争証跡博物館です。
では、どうぞ。
戦争証跡博物館で、最も大きな建物に入る。
この建物だけ、プレハブでなくて、小さな市役所のような外観である。
周りよりも少し高く作られていて、建物に入るために何段かの階段を上った。
1階に入り口のドアなどはなく、ガレージのようにひらけたスペースが取られている。
そして壁に沿って写真や絵、オブジェなどが展示されていた。
奥の方には特別な展示室もあるようだったが、2階建てではなく、吹き抜けのような構造だった。
入って左側の壁には、現地の子供が書いたと思われる、反戦をイメージした絵が飾られている。
クレヨン画であるが、戦闘機や地雷、手や足のない被爆者が、原色で描かれている。
奥の方に小部屋があり、そこでも壁一面に絵が飾られていた。
右側には、プレハブでもみた、戦争の様子を撮った写真である。
英語のキャプションで、被害者の様子が説明されていた。
爆発すると、小さな金属球が飛び散る爆弾や、釘が突き刺さる爆弾など、様々な爆弾の被害者のようすが、あからさまに写っていた。
更に奥に進む。
ガラスのショーケースに、ベトナム戦争で使われた本物の銃が展示されている。
爆弾の破片で作ったと思われる、金属のマネキンのようなオブジェもある。
その展示に沿って奥に進むと、「orange agent」と書かれた旗が展示されている。
オレンジー・エージェントとは、ベトナム戦争の悲惨さを世界に知らしめる結果となった、米軍の毒ガス作戦の名前である。
いわゆる「枯れ葉剤」の被害者たちが、白黒写真の中に並ぶ。
爆弾の被害者も悲惨だが、ここにいるのは毒ガスによる突然変異の奇形者たちである。
(続く)
オレンジー・エージェントの話を続けます。