心理学では、「メラビアンの法則」というものがあります。
これは、「話し手が聴衆に影響を与えるのは、言語の内容よりも見た目である」というものです。
この法則では、具体的にどのくらいの割合で影響を与えるのかという、数値まで出ています。
それによると、聴衆が話し手の何に影響を与えるかという割合は、
「視覚情報(見た目)」=55%となるそうです。
「聴覚情報(言い方)」=38%
「言語情報(話の内容)」=7%
つまり、格好良くて(美人で)、声の大きい話し手は、たとえバカでも93%の指示を得られてしまう、ということになります。
本当にそうですかね?
この調査は1973年に、アメリカの心理学者、アルバート・メラビアンが発表したものだそうですが、このときの調査にどうも問題があるようです。
メラビアンの調査は、例えば「thanks(ありがとう)」という単語を、怒った顔の写真とともに、耳障りな声で聞いてみて、聴衆の印象を調べる、といった内容でした。
これで聴衆が不快感を持てば、人間は「ありがとう」という言葉の内容よりも、その時の表情(視覚情報)や声色(聴覚情報)のほうに影響を受けたことになります。
この調査なら、上記のパーセンテージになることは間違いないでしょう。
逆に、7%も見た目にだまされない人間がいたことになります。
「トリビアの泉」の中の「ガセビアの沼」というコーナーで、最後に緒川たまきが「うそつき。」とささやくシーンが必ず出てきますが、あれがまさに「メラビアンの法則」に則っているといえますね。
あれで「俺は嘘つきじゃない!」と憤る男性はあまりいませんから。