2006年02月15日

[人一倍]

人よりも頑張るときに「人一倍頑張る」といいますが、「一倍」だと変わらないのでは?という疑問がわきます。

結論から言えば、明治期以前の日本は、「一倍」=2倍だったからです。

「倍」という言葉ですでに「×2」の意味があるため、昔は「一倍」=1×2で、「2倍」という意味だったようです。

つまり「人一倍頑張る」というのは、「人の2倍頑張る」という意味です。

そうすると、「二倍」は2×2で4倍、「三倍」は3×2で6倍なのでは?という疑問がわきます。

実際には「二倍」は×3、「三倍」は×4を意味していました。
「1+○倍」という考え方のようです。

正確にはこういうのを「層倍」といい、現在では×3が「二層倍」、×4は「三層倍」といいます。

さすがにこれは混乱を招くと思ったのか、明治八年に出された太政官公布には
、「公文中総て計算上一倍の呼称を止め、従前の諸規則等に一倍と記載有之分は、二倍と改正候(公文書では従来の「一倍」という表記を「二倍」と改正すること)」
という内容が記されています。

「人一倍」は、公文書ではないので、そのまま残ってしまったというわけです。

本当なら「人二倍」頑張るとか、もしくは「人一層倍」頑張るなどというのが、数学的には正解です。

そもそも「倍」が×2なのだから、「一倍」「二倍」という言葉があること自体、おかしな表現なんですね。

英語でも×2は「twice」、×3以降から「○○ times〜」となりますから、その辺は慎重です。



posted by molten at 12:49| 埼玉 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | ことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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