僕の住んでいるマンションが、大地震で倒壊します。
僕は奇跡的に助かり、他の助かった住人と共に、がれきの中に埋まったものの、空間として利用できる地下のロビーで生活することを余儀なくします。
そこへ、ボランティアのためにやってきた、黄色い服を着たおばさん達が大挙して、すべてを失った僕らの生活の面倒を見ようとします。
おばさん達はロビーに線を引き、それぞれの居住空間を指定するのですが、それがあまりにも不公平。
四畳半ほど与えられている家庭もあれば、僕には足を伸ばす程のスペースもありません。
そしてなぜか、線を越えて足を伸ばそうとすると、何だか電気のような、低周波のような、ビリビリとしたイヤな感じを受けてしまうのです。
明くる日、外に出られるようになりますが、とにかく黄色のおばさん達は僕を冷遇します。
朝食で出された、まるい乾パンのような食品が、僕のだけどろどろに溶けたりします。
その後、何だか言いようのない不快感を受けながら、僕と周りの人たちが、電車に乗って海に行くことになります。
電車に乗ると、空いている席があり、そこに座ろうと席をよく見ると、座席にはなんだかわからない茶色のシミや、ガムの吐き捨て、そしてなぜか玉ねぎのみじん切りがびっしりと乗っています。
他の席でにやにやしている黄色のおばさん達。
猛烈に腹が立った僕は、彼女らの前に立ち、つり革やあみ棚に付いていた玉ねぎのみじん切りをおばさんの頭の上にバラバラ振り落としてやります。
テンションが上がった僕は、そのままゴミだらけの空き席に座り、玉ねぎのみじん切りをむしゃむしゃ食べながら、大笑いします。
海のある駅に着くと、他のみんなが持っている、水中メガネを僕だけ持っていないことに気付き、あわてます。新しいのを買おうにも、お金がありません。
「絶対に水中メガネがないと海には入れない」という気持ちで、目が覚めました。
後半は、大地震そっちのけですが、近年まれに見る超大作なので、記録しておきます。