さいたま市に住んでいるせいか、最近しきりに「パブリックビューイングに行かないのか」と聞かれます。
「行かない」というと、「どうしてですか」と聞かれるのです。
サッカーに限らず、このパブリックビューイングに参加する意味が、僕は全くといっていいほど理解できません。
オリンピックもそうです。
なんで大きなテレビを、みんなで観なくてはいけないのか。
そして、なぜテレビに向かって応援しなくてはいけないのか。
「みんなで騒ぎたい」という気持ちは良く分かります。
でもそれなら、僕はテレビのある居酒屋に行きます。
とにかく画面に向かって声を出す、という行為が奇異に見えて仕方がないのです。
たとえるなら、映画館に「キングコング」を見に行って、
「そんなに走ったら、アン(ヒロインの名前)が死んじゃうよーーー!!」
とか、
「コングを撃たないでーーーーー!!!!!」
「がんばれーーーーコングーーー!!!!!」
と、観客全員が絶叫しているようなものです。
…。
サッカーは1回限りで、キングコングは何回もやっているから違うと思うかも知れませんが、「観客が結果を知らない」という意味では同じです。
ドリフの公開録画で「志村ーー!後ろーー!」というのは全然OKです。
なぜなら、志村けんは、そこにいるからです。
だから、試合を実際に見に行って応援するのは、声が選手に届くのでどんどんやるべきだと思うのですが、テレビ画面に声を張り上げてもむなしいだけではないでしょうか。
「いや、僕らの声はドイツの選手たちに絶対届いている!」と思う人は、僕と根本的に思想体系が異なります。
どうしてですか?と聞かれるたびに、今書いたことをかいつまんで説明しているのですが、ほとんど理解されません。
むなしいです。