2006年07月11日

[チンパンジーの貨幣]

チンパンジーの貨幣」という実験があります。
心理学者のJ・B・ウォルフとJ・T・カウルズが行った動物実験です。

まず、チンパンジーの檻にエサの自動販売機を設置し、コインを使ってその自動販売機からエサを出すところを見せます。

何度かやって見せた後にチンパンジーにコインを渡すと、チンパンジーはコインを使って、自動販売機からエサを取り出すようになります。

ここまでは単なる「学習」であって、よくテレビでもみますね。



次に、レバーを引くとエサが出る、別の機械を用意します。
これはすぐにチンパンジーが飛びつき、何度もレバーを引いてエサを取り出します。

その後、レバーの機械の中身を変えて、レバーを引くとコインが出るようにします。

チンパンジーは初めとまどいますが、すぐにコインを持って自動販売機に行き、エサを出すようになります。

ここまではまだ「学習」の範囲。
ここからがこの実験の面白いところです。

このチンパンジーの檻から自動販売機を撤去します。
レバーの機械は残しますが、そこからは依然としてコインしか出ません


こうなると、そのチンパンジーはどうするのか。


チンパンジーはレバーを引き、コインを貯めておこうとするのです。
なんとチンパンジーも「貯金」するのです。

しかも、同じ実験をしたチンパンジーを複数、一ヶ所に集めて、そこにコインをばらまくと、チンパンジーたちは先を争ってコインを奪い合い、強い者が弱い者からコインを奪いあつめるという現象まで生まれます。

この実験では、チンパンジーにも貨幣価値が分かるということと同時に、「動物は自然界のバランスを保っている(無駄な殺生をしない)」という神話が崩れることになります。

つまり、動物が自分が食べる以外に無駄な殺戮をしないのは、それが保存できないからであって、コインのように自分の利益になり、かつ保存の利くものであれば、いくらでも手に入れようとするということがわかるわけです。

自然破壊などの人間の愚かさを嘆くエコロジストは、まずチンパンジーからコインを取り上げることから始めないといけません。


posted by molten at 16:07| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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