2005年02月21日

[ビビる]

「気後れする、恐れる」の意味でつかう「ビビる」という言葉ですが、その語源は平安時代の末期にまでさかのぼります。

武士が大挙して押し寄せる時、隣の武士と鎧がぶつかって「びんびん」という音を立てる事を、「びびる音」と表現していたのが始まりです。

相手にとってみれば、「びびる音」を聞く、ということは、武士が大勢でやってくることを意味するわけですから、とうぜん尻込みして、恐れます。
「びびる音に恐れる」という行為が、そのまま「びびる」という言葉に集約していった、ということのようです。

歴史上、最も有名な「びびる」話は、源平合戦の中の「富士川の戦い」です。

平家軍が静岡県の富士川付近で待機中、川から飛び立つ水鳥の羽ばたく音を聞いて、「源氏軍が大挙してやってくる音だ」と勘違いして逃げた、という話です。

まさに「平家軍」が「びびった」話というわけです。

また、「広辞苑」によれば、「びびる」には「はにかむ」という意味もあったようで、江戸時代の川柳を集めた「誹風柳多留(はいふうやなぎだる)」という本の中には、
あいさつに 男のびびる 娵の礼
という歌が収められているそうです。

新妻のあいさつにさえ、夫ははずかしがっているという、ほほえましい歌だと思われます。

これを「恐れる」の意味で解釈すると、一気に冷え切った夫婦の恐ろしい感じが現れてくるところが、日本語の面白いところです。


posted by molten at 17:21| 埼玉 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ことば | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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