仏教では世界を「欲界(よくかい)」「色界(しきかい)」「無色界(むしきかい)」の「三界(さんがい)」に分けて考えます。
「欲界」とは形もあり、欲望もある世界、
「色界」とは形はあるが、欲望のない世界、
「無色界」とは形もなく、当然欲望もない世界、を表すそうです。
人間界は勿論、「欲界」に属します。
ここから上の「色界」「無色界」は仏の領域ですが、その「無色界」の頂点が「有頂天」です。
「有頂天ホテル」って、ものすごいところに位置しますね。
「三界」を更に細かく見ていく分類で有名なのが「六道(りくどう)」です。
一番上から「天道」「人道」「修羅道」「畜生道」「餓鬼道」「地獄道」というやつです。
人は上から2番目ですが、「人道」以下は「三界」でいう「欲界」。
「天道」は一部が「欲界」に入りますが、上位は「色界」と「無色界」に属します。
「天道」はそれぞれ階層があって、上から、
1 非想非非想処(ひそうひひそうしょ)=「有頂天」
2 無所有処(むしょうしょ)
3 識無辺処(しきむへんしょ)
4 空無辺処(くうむへんしょ)
5 色究竟天(しきくきょうてん)
6 善見天(ぜんけんてん)
7 善現天(ぜんげんてん)
8 無熱天(むねつてん)
9 無煩天(むぼんてん)
10 広果天(こうがてん)
11 福生天(ふくしょうてん)
12 無雲天(むうんてん)
13 遍浄天(へんじょうてん)
14 無量浄天(むりょうじょうてん)
15 少浄天(しょうじょうてん)
16 極光浄天(ごくこうじょうてん)
17 無量光天(むりょうこうてん)
18 少光天(しょうこうてん)
19 大梵天(だいぼんてん)
20 梵輔天(ぼんぽてん)
21 梵衆天(ぼんしゅてん)
22 他化自在天(たけじざいてん) =「第六天」
23 化楽天(けらくてん)
24 兜率天(とそつてん)
25 夜摩天(やまてん)
26 トウ利天(とうりてん:トウはりっしんべんに刀という字)
27 四大王衆天(しだいおうしゅてん)=「下天」
…この下がやっと「人道」です。
ちなみに「27 四大王衆天」が別名「下天(げてん)」と言われ、ここでの1日は人間界の50年に当たることから「人間五十年、下天のうちをくらぶれば夢幻の如くなり…(敦盛)」というセリフが生まれています。
また、下から六番目の「22 他化自在天」は別名「第六天」と呼ばれ、織田信長の自称した「第六天魔王」というのはここを意味しています。
そして、この一番上の「1 非想非非想処」の別名が「有頂天」です。
信長も「第六天魔王」なんて中途半端なこと言わないで、
「有頂天魔王」
といっておけば、もっと箔が付いた…わけないですね。
なんだか頭悪そうですよね。
なんだ、結構謙虚だなあ、信長。
あとヒソウヒヒソウショって、
さっぱり意味がわかんないんですけれども。
僕にもよく分かりません。
たぶん「欲界」のものには理解できない世界なのでしょう。