貝原益軒の著作「養生訓」のなかに「同食の禁」という章があり、そこに一緒に食べると悪い食材が挙げられています。
養生訓の中には上の例の他に、「鶏肉とすもも」「野鴨にくるみ」というものや、「キジと鮒」「ウサギとかわうそ」など、現在では食べたくても食べられないような食材もあります。
現代的な食材でも、「豚肉とショウガ」とか「牛肉とニラ」など、明らかに普通に食べている食材が「食べ合わせ」だったりします。
これは、保存状態の悪かった江戸時代の生活の知恵だと思われますが、科学的な根拠はなく、迷信の類に過ぎないようです。
「食べ合わせ」のルーツは、中国の「食経」という、陰陽五行説に基づく「食禁」を記した書物にあると言います。
そこには、朝廷の食事係が帝に出す食材で、出してはいけない組み合わせを記しており、「キビと干し肉」「ヒユ(ヒユ科の一年草)とスッポン」などが代表的な例として書かれています。
特に「ヒユとスッポン」は、同時に食べるとスッポンが体内で蘇生し、腹を食い破って出てくるのでダメ、というスプラッターなタブーでした。
僕は先日、「コーヒーと柴漬け」という組み合わせで壊滅的なダメージを受けました。
平成の「食べ合わせ」として是非カウントしていただきたいと思います。