なぜジャンプだけがこのようなコピーを打ち出すのかというと、歴史的な背景があるようです。
このあたりのことは、「オタク学」の権威、岡田斗司夫氏の解説に詳しいです。
岡田斗司夫「マンガ国盗物語」
4大週間漫画誌といえば、ジャンプ(集英社)、マガジン(講談社)、サンデー(小学館)、チャンピオン(秋田書店)ですが、マガジンとサンデーは1959年に創刊したのに対し、ジャンプは9年後の1968年、と出遅れています。
当時は、手塚治虫や藤子不二雄などの大漫画家を擁する「サンデー」と、シナリオライターと編集者の戦略によって部数を伸ばす「マガジン」との2大雑誌時代であり、出遅れた「ジャンプ」集英社は、関西の無名漫画家達を発掘、独自路線で部数を伸ばそうと画策します。
すべて新人で構成され、創刊号にさえ「漫画家募集」を掲げるほどでした。
つまり、「○○先生の作品が読めるのはジャンプだけ」というのは、もともとオリジナリティをアピールするその裏側に、「○○先生(などという無名の漫画家は、)ジャンプだけ(にしか描けない)」という意味があったようなのです。
また、劇画や長編の多い他誌に対抗して、ジャンプは当初「読み切り」一本で新規開拓をはかります。すべてのマンガがその号で読めるので、間口が広がるという作戦です。
ジャンプはその慣習が今でも抜けず、たとえ連載ものでもその号の最後には「おわり」と書き、「つづく」とは書かないのだそうです。
ちなみに「小学○年生」など、学習雑誌を販売している小学館のサンデーは、教育指導上の理由で、マンガのセリフ(フキダシ)にも句読点をつける、という特徴があるそうです。
ぜひ、他の雑誌と比べてみてください。