といっても、虫歯の痛い左下の親知らずではなく、その上の親知らずです。
なんでも、親知らずは下から抜くと、上の親知らずが段々落ちてきて下の歯ぐきを痛めてしまうからだそうです。
確かに上の親知らずにも虫歯があったそうなんですが、ほぼ健康な歯を抜いてしまうことにはちょっと抵抗がありました。
しかし最近の技術は向上していると思いました。
麻酔は、ガスのようなものを局部に吹き付けるタイプのもので、全く痛くありません。
麻酔のかかる場所も、本当に親知らず周辺だけで、唇がマヒするようなこともありません。
そして、実際の抜歯も全く痛みがなく、あっという間に終わりました。
歯を抜いたあと、ガーゼを噛んで止血するのですが、「強く噛むほど血は早く止まります」といわれ、ぐっと噛むと、激痛が…。
本来の虫歯である、下の親知らずで噛むのですから、当然です。
先生は、歯を抜いたらさっさと次の人の所へ行ってしまいました。
血は止めたい、しかし噛むと歯が痛いというジレンマの中、顔をしかめながらひとりで10分ほど食いしばっていると、ようやく歯科助手さんがきて、ガーゼを取ってくれました。
歯科助手さんは「では、止血剤を塗りますので」と何か油っぽいものを歯ぐきに塗って、治療終了です。
はじめからその止血剤を塗ってもらうわけにはいかないのか、と聞きたかったのですが、気が小さくて聞けませんでした。
1時間ほどうがいを禁じられているので、ボクサーのように時々血の混じったつばを吐きながら、これを書いています。
つづく。