古来、日本では婚礼の儀式として、花嫁が花婿の家に向かうときにたいまつを掲げた行列を従える、という風習があったのですが、婚礼の予定がないのに山にたいまつの行列が見えることがありました。
そうすると人々は「狐が嫁入りのマネをして人間を化かしているのだ」と伝えたことから、晴れの日に雨が降るような現象は、「狐の嫁入り」のようにありえないことだ、という意味で、「天気雨=狐の嫁入り」となったようです。
本来「狐の嫁入り」とは、火の玉現象のような、オカルトなものでした。
日本では他にも「天気雨」のことを、「日照雨(そばえ)」「天泣(てんきゅう)」などとも言うそうです。
ちなみに、中国語では「晴空雨」、韓国語では「ソナギ(本来はにわか雨の意)」フランス語では「ジブレ(giboulée:これも本来にわか雨の意)」などと言います。
「ソナギ」は、同名の文学作品があるようで、韓国の人はこの単語に「淡い初恋」のイメージを抱くそうです。
日本人が「黄色いハンカチ」に「再会」のイメージを抱くようなものでしょうか。
英語では「sunshower(サンシャワー)」とか「April weather(エイプリルウェザー)」といいます。4月は気圧が安定せず、天気雨が多いからだそうです。
「狐の嫁入り」のように、しゃれた表現を探してみましたが見つかりませんでした。
そのかわり、「ソバエ」「ソナギ」「ジブレ」って、似た感じの表現が集まりましたが。