駐車場から自宅へ歩いていたのですが、曲がり角を曲がるとすぐ、そのカップルが抱き合っているのにバッタリです。
暗いのではっきりとは見えなかったのですが、あまり若くはないようでした。
僕が歩いていることに、そのカップルも気が付きました。
すると、マンガならば「バッ」という擬態語が描かれるような雰囲気で二人は離れ、男がつれていた白い大きなイヌをみて、
「…ね、ねぇー。かわいいよねぇ〜」「ほんとにねぇ〜」などと急に不自然な会話をし出したのです。
昭和のごまかし方です。
散歩の途中で、急に連れている犬の評価をしなくても。
僕はそんなに興味はなかったのですが、あまりにもそのごまかし方が面白かったので、しばらく歩いたあと、ちょっと振り返ってそのカップルがどうなったか確認してみました。
カップルはその場を動いておらず、そのシルエットはまた、一つになっていました。
…すえながくお幸せに。