2005年07月26日

[ぶら下がり健康器]

今日は台風で大変なことになっていますが、こんな日にぶら下がり健康器らしき器具を捨てにきているおじさんを見ました。

片手でビニール傘、片手で自分の背丈ほどある健康器をかつぎ、ぐらぐら取れそうになる部品を押さえつつ必死でした。
ぶら下がり健康器具なのか、腹筋などを鍛えるジム用機器なのかよく分かりませんでしたが、とにかく重そうで、ビニール傘もむなしくびしょぬれ状態。

ここまでして、今この機器を捨てに来なければならない家庭の状況をいろいろ想像すると、ちょっと面白いです。

「なあ、ヨシエ」
「なによ」
「新聞どこにやった」
「どこにもやってないわよ。ラックになかったら知らない」
「ちょっと取ってくれよ」
「回りくどい言い方しないではじめからそう言いなさいよ。だいたい今取り込み中なんだから」
「取り込み中って、ただぶら下がってるだけじゃないか」
「うるさいわね。今日ぐらいぶら下がらせてよ」
「いつも洗濯物がぶらさがってるもんな。20万円の物干し竿だ」
「あんただってやってたじゃない」
「はじめの1回だけな。いいから新聞」
「自分で取りなさいよ」
「しんぶん」
「私をなんだと思ってるの?」
「ナマケモノ」
「…。そんなにぶら下がってるのが気に入らない?」
「…」
「わかったわよ。なによ。こんな器械買わなきゃよかった。ナマケモノ呼ばわりまでされて」
「ああ、そうだそうだ。そんなもの何の役にもたちゃしない」
「…物干しになっているからもったいないと思って、今日は洗濯物がないからちょっとぶらさがったら、なんなの。私だってこんなものいらないわよ」
「…」
「何とかいいなさいよ」
「…いらないなら早く捨てにいけよ」
「なんで私が捨てんのよ。捨ててきてよ」
「何で俺が。お前がいらないんだろ」
「こんな雨の日に捨てに行けっていうの!」
「だっていらないんだろ」
「…信じられない」
「…」
「…いつもそうね。シンジの運動会の時だって…」
「あれは!」
「シンジが事故にあった時もそう」
「やめろ!その話はするな!」
「大声出せば済むと思ってる」
「…とにかく、なんでその話になるんだ。無関係だろう、ぶら下がり健康器とは」
「じゃあ、あなたが捨ててきてよ」
「それは…」
「やっぱり。あの時と同じじゃない」
「わかったよ!捨ててくれば良いんだろ!」
「もういいわよ」
「もういいって、なんだ。お前が言い出した事じゃないか。関係ない、捨ててくる」
「いいわよムリしなくて」
「捨ててきてやる、捨ててきてやる」
「オヤジ、いいよ」
「シンジ!聞いてたのか」
「俺は別に気にしてないよ」
「違うんだシンジ、あの時は…」
「…わかってるよ。俺とオヤジは違う人間なんだって事」
「そうじゃない、そうじゃないんだ…」
「これはお父さんとお母さんの話だから、部屋に戻りなさい、シンジ」
「でも母さん、いつも」
「いいから。あとはお母さんが話をするから」
「…わかった」
「…」
「…」
「…とにかく、これは捨ててくる」
「いいっていってるでしょ」
「ちがう、これを捨てないと俺は…始められない」
「…」
「あいつの父親を、始められない」
「…もう、何も言わない」
「いってくる」

こんな感じでしょうか。



posted by molten at 15:40| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 分類不能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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