2005年09月11日

[0817 ハノイ(16)]

第16回。
ハロン湾クルーズを終えて、帰り道の話です。

では、どうぞ。

天宮洞を出て、階段で崖を下り、再び船へと戻る。
ここからは来た道(?)を引き返すだけのようだ。

すでに一度見た風景なので、少し趣向を変えようと、僕らは階段をあがって船の屋上へ出る事にした。
屋上はビーチで日焼けするときに使うような、ロングチェアーがひとつ置いてある。
サングラスをかけて、そこに寝そべると、エンジン音と波をかき分ける音の中、太陽と海風を肌に感じる。

いかにも「クルージング」といった感じで、非常に気持ちが良い。
アラン・ドロンの「太陽がいっぱい」を想起させる。
…実際には観たことがないので、イメージである。

そんな僕のまわりで、エイコは盛んにデジカメのシャッターを切る。

実際にはアランドロンというよりも、林家ぺーだった。

船が初めの船着き場に戻り、ハロン湾クルーズは終了した。

船長と女の人にお礼を言いながらにこやかに下船したが、思えばあのとき、誰一人ビールの代金について考えていなかったことになる。

また、3時間のドライブでハノイ市街へ戻る。
途中、トイレ休憩で立ち寄ったところは、やはりおみやげ屋だった。

そこで目を引いたのは、ヘビやサソリが丸ごと入った酒だ。
朝鮮人参と一緒に酒に入れることで、滋養強壮になる。世界共通の認識である。

トイレを済ませ、休憩のテーブルに座ると、グェンさんがお茶とお菓子をもってきてくれた。

行きの休憩所でも食べたのだが、その中の一つに、豆をすりつぶして砂糖と混ぜ、小さく、角砂糖のような状態でゆるく固めてあるお菓子があった。
食べると、口の中で粉になり、甘いがボサボサして、水なしには食べられないというシロモノだ。

こういうお菓子は日本で何というのか?とグェンさんが聞いてきた。
以前、別の日本人に同じ質問をして、「○○」ですよと教わったのだが、忘れてしまったらしい。

「ニホンノ オソネーモノ デス」とグェンさん。「お供え物」と言いたいらしい。
僕が「落雁かな」というと、グェンさんは興奮気味に「アー!ソウソウ!マチガイナイデス。アクガ?」と答えた。

落雁。どうやら前の日本人と同じ答えだったようだ。

「らくがん です」と僕が訂正すると、グェンさんはおみやげ屋のお姉さんにペンを借り、持っていた紙の裏に「らくがん」と、決して上手ではないひらがなで、忘れないようにメモを取り、「ラ、クガン、ラクガン」と小さく復唱していた。

あまりにもグェンさんが嬉しそうだったので、なんだか僕はちょっと泣けた。
外国人とはいえ、こんなに純粋にモノを知りたがるおじさんに、なんとも説明しがたい感情を覚えたのだ。

女子高生ならこういうのを「かわいい」と言うのかもしれないが、それはグェンさんに失礼だ。
(続く)


ハノイ2日目は、明日最終回です。


posted by molten at 15:06| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | Jet-Ragメモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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