8月18日もこれで終わります。
ではどうぞ。
ガイドさんの名前はソンディさん。
後で知ったのだが、彼は24才で、ガイド歴3ヶ月の新人だった。
日本語はカンボジアの学校で1年習っただけだという。
それを考慮すると、まあ、上手なほうか。
仕事が「ガイド」でさえなければ。
そして彼の口癖は「はい、そうですね」。
口癖なので、これが「イエス」なのか「ノー」なのか、その後を聞いてみないとわからない、ということを理解するまで、かなり時間がかかった。
ソンディさんに案内された車は、やはりセダン。
運転手はソンディさんよりも若く、18歳の少年だった。
カンボジアの運転免許も18才からなので、彼は明らかに初心者だ。
ちょっと太めでいつもニコニコしている。
エイコは知り合いにそっくりだと言って、彼のことを勝手に「原くん」と呼んでいた。
結局、本名はわからないままである。
助手席に座ったソンディさんは、後部座席に座った僕らに対して、シートベルトもせずに後ろを向いて身を乗り出し、「ほてるにいきますか?れすとらんにいきますか?」と聞いてきた。
初めは意味がわからなかったが、要するに夕食に寄ってからチェックインをするか、チェックインを済ませてから改めて夕食に出かけるか、と聞いていたのだ。
僕らは後者を選択し、先に僕らの泊まる「サリナホテル」へ向かってもらった。
チェックインを済ませ部屋に入ると、クーラーが効いておらず、ものすごく暑い。
あわててクーラーをかける。部屋は「レイクサイド」よりも少し広いぐらい。窓の外は中庭が見え、きれいに水の張られたプールが見える。人は誰もいなかった。
僕らがホテルを先に選んだのには理由がある。
今日、プランに夕食が入ってないと思っていた僕らは、3時前にハノイ空港でフォーを食べ、機内でも食事を済ませていた。僕はあれが夕食だと思っていた。
つまり全くおなかが空いていないのである。
実際には、レストランで夕食、というのがきちんとスケジュールに入っており、単純に僕らの確認ミスだった。
ロビーでソンディさんが待っているので、そそくさと部屋を出、レストランへと連れて行ってもらう。
連れて行ったもらったところは中華料理のレストランだった。
隣には、以前書いた「お土産に!アンコールクッキー」という看板がある。
レストランではとにかく油のきつい料理が並び、味もわからず、半分も食べられなかった。
食後、僕らの席にやってきたソンディさんに、申し訳ない気持ちを伝えようと、事の経緯を色々話したが、伝わったかどうか自信がない。
再びホテルへ戻り、テレビをつけると、またどこかで飛行機が墜落したと報じていた。
僕らはあと2回、飛行機に乗らないと日本へ帰れないのに。
(続く)
次の日から、いよいよアンコールワットが出てくる予定です。