水上生活者の様子です。
ではどうぞ。
水中のジャングルともいえる、トンレサプ湖をボートで進む。
しばらく進むと、道(?)が開け、森の部分が少なくなってきた。
そして、「道」の両側に、家が見えてきた。水上生活者である。
巨大なイカダの上に建てられているようなその家は、土台にドラム缶やタイヤなどがついており、すべて浮いている。
湖面は安定しているので、それほど揺れたりはしていない。
住居があるのはもちろんだが、驚くのはその中に病院や学校、スーパー、遊園地・動物園まで存在することだ。
巨大なタンカーが停泊しているのでソンディさんに聞くと、あれはガソリンスタンドだという事だった。モーターボート用であろう。
そしてそれらを行き来するために、それぞれの家にはいろいろボートが泊めてある。
中にはボートにたくさんの食料品を乗せた「行商」船もあった。
完全に、この湖の上だけで生活が完結しているようだった。
家はドアのようなものがなく、カーテンで仕切っているようなので、中の様子がうかがえる所もある。
家の中ではテレビやラジオをつけて、くつろぎながら、我々観光客を逆に見物しているかのようだ。
子供達は、家の前から湖に飛び込み、楽しそうに遊んでいる。
いわゆる「町」の形態を為しているその場所は、数百mほど続いただろうか。
徐々に家が少なくなってきて、木々もだんだん湖面から顔を出さなくなってくる。
かなり沖の方まで来たということだろうか。
と、周囲の植物が急になくなり、視界が開けた。
遙か遠くに見える水平線。
カンボジア最大の湖だということを改めて認識する。
周囲には我々の船の他に、いくつかの観光客を乗せた船と、子供が数人乗った、小さな手こぎのボートが浮かんでいた。
その中のひとつが、僕らの船に気が付き、ボートを僕らの船に近づけてきた。
楽しそうに手を振っているので、僕も手を振りかえす。
すると、何度その子供達が、つぎつぎとボートから飛び降り始めた。
何をする気なのだろう?
(続く)
まあ、カンボジアの子供が観光客にやることはひとつです。